メンタルクリニック受診者における、自記式抑うつ症状と心拍変動解析による自律神経機能との関係性における検証
WINフロンティア株式会社/慶應義塾大学医学部/医療法人社団 銀座泰明クリニック:第28回人間情報学会 オーラルセッション
本研究では、メンタル不調者を対象として、主観の抑うつ症状の結果と心拍変動解析による自律神経機能との関係について検証した。
主観データは日本版ベック抑うつ質問票・第2 版(BDI-II)を用いた。また、自律神経機能は脈波センサを用いて心拍のゆらぎを測定した。
男女60名を対象に、BDI-Ⅱの結果で「中度のうつ状態」以上と判定された被験者群では、抑うつ症状が高いほど自律神経機能の交感神経機能が高く、統計的にみても正の有意な相関関係がみられた。
一方、BDI-Ⅱの結果で、「中度のうつ状態」未満と判定と判定された被験者群においては、自律神経機能との相関関係はみられなかった。
男女別でみてみると、男性に比べて女性の方が主観の抑うつ症状と交感神経機能との間に統計的に高い相関関係がみられた。