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アテンション・ケアで集中力を高めて働こう!

時代はコスパ(コストパフォーマンス)からタイパ(タイムパフォーマンス)へ、と言われています。そして、タイパには、ただ時間に対する効率が良いことだけでなく、費やした時間に対する満足度や得られる成果のクオリティが求められます。

働くシーンにおいても、時間に対する意識は以前よりもずいぶん高まっていると思われます。どうすれば心も体も疲れずに効率よく働けるか?日々模索をしている人も多いのではないでしょうか。

このような時代だからこそ、是非知っておきたいのが、私たちの「注意」です。わたしたちの注意力や集中力は、体力と同様、限りがあるという「注意資源」という考え方があります。そして、社会における「注意」というものの意味合いと価値が大きく変わることを唱えたのは、アメリカのある社会学者でした。

 


note:起業家兼研究者が考える クリエイティブ・メンタルマネジメント法「アテンション・エコノミーの時代」)より

   アメリカの社会学者マイケル・ゴールドハーバーは、インターネットの発達による情報過多の時代には、人々の「注意(アテンション)」が貴重な資源となり、経済的価値を持つ「アテンション・エコノミー」という概念を、インターネット初期の1997年に提唱しました。人の注意(アテンション )という資源は有限ですので、この有限の資源を様々な企業が奪い合う結果、「注意(アテンション )」がお金のように交換材としての価値を持つようになるという考え方です。

多くのデジタルサービスで、無料あるいはフリーミアム(初めは無料だが、後に有料になる)サービスが無数に登場しているのは、私たちの注意(アテンション)が広告価値を高め、企業にお金をもたらすからです。私たちは、無料でサービスを利用する対価として、個人情報を提供している、ということはよく言われますが、実は、個人情報だけでなく、有限の注意資源を消耗しているのです。


 

デジタル化が進む働くシーンにおいて、私たちの注意はいとも簡単に消耗していきます。例えば、PCで資料を作成していたところ、メールが気になってチェック、するとチャットアプリで緊急の問い合わせが入り、一度答えたらやりとりがしばらく続いて……、そうこうしているとすっかり資料作成への集中力が途切れてしまった。そんな経験は誰にもあるでしょう。

では、限りある注意資源を上手に活用するには、どうすればよいのでしょうか?

一つの有効な手段は、自ら時間を管理するタイムマネジメントです。カフェで仕事をしていると、どこからともなくスマホのタイマー音が聞こえてきます。誰しも「〇〇分でここまでやるぞ」と決めることで、集中力を高めようとしていることがわかります。

ただ、私たちの「注意」という点からいうと、もう一工夫加えたいところです。

タイパを求める時代にあって、今ではたくさんのタイムマネジメントアプリがあります。例えば、その中の一つ『Flat Tomato』というアプリは、自分で作業と休憩のサイクル(例えば、50分作業して5分休むというパターンを3回繰り返して、4回目の終わりには15分休むなど)を設定できるものです。一度設定すれば同じサイクルを自動で繰り返すことも可能です。

仕事を効率化するには、まずはタスクの優先順位を決めて、ある一定時間は気が反れることは一切しない、と決めてしまうことが重要です。優先順位を決めたら自分に適すると思われる間隔でタイマーを設定しましょう。例えば、自分は朝型で午前中に集中できる、ということであれば、午前中の3時間は一定のタイマーのサイクルに従って集中して業務に当たるのもよいでしょう。

また、注意資源にとっては、短い休憩時間をとることが非常に重要になります。なぜなら、私たちの注意資源は休息によってある程度回復することがわかっているからです。サイクルの中にある休憩時間が来たらきっぱり作業を切り上げて脳を休めましょう。作業の途中で一旦手を休めるのは意外と勇気がいりますから、予め休憩に楽しみを持たせておくのは一つの手でしょう。例えば、5分休憩では、オーディオブックを聴く、お気に入りの音楽を聴く、長めの15分の休みにはお気に入りのティーを入れて飲む、など。基本的に目は酷使しているので、視覚以外の五感を使うことをおすすめします。こうした休憩を上手にとることで、また次のサイクルの集中力を高めることにつながります。

実際にこうしたタイマーを使ってみると、自分の時間をコントロールしている感覚があり、ちょっとしたゲーム感も伴うため、特にひとりで仕事をするときに適する伴走ツールだと感じます。

現代の働くシーンにおいては、単なる効率追求にとどまらず、働く主人公であるあなた自身の注意資源を大切にしながら、疲れも最小限に抑えて働くことが大切です。それには働く人の主体性が欠かせません。自分の創造性を高めることに役立つアテンション・ケアを見つけてみてください。

 

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